
そこは、四人の精霊の王――四柱王が治める世界。 魔女の女の子ミリルは、賢者ガランの住まう「物見の塔」で、魔法の修行を積んでいます。 一緒に住んでいるのは師匠であり育ての親であるガラン、言葉を話す不思議な猫のパール。そして、大好きなウィズ。 兄妹のように育ったウィズへの想いは、ミリルが大きくなるにつれて、確かな恋心となっていました。 平和に暮らしていたミリルたちですが、最近、地上にいる魔物たちが強くなりはじめました。 ガランは、物見の塔の東にある古代神殿から、異様なエネルギーの高まりを感じ取ります。 古代神殿へと調査に向かうウィズの後を追うミリル。 二人は神殿の奥で、魔物の住まう世界――暗黒界と地上界とを繋ぐゲートを、 あろうことか精霊界の四柱王の一人、ファティアが開こうとしているのを目撃します。 ファティアを止めようとするも、強大な彼女の力の前に敗れる二人ですが、 その時、ミリルが物見の塔の近くで拾われる前から持っていたという、赤い宝石が光り輝き、ゲートを閉じます。 そして古代神殿に、アクティマと名乗る謎の男が響き、ファティアは撤退します。 物見の塔に帰ったミリルたちはガランとパールも交えて話し合い、異変を解決するため ディバ王国にあるという精霊の森に赴き、ファティア以外の四柱王からの力を借りることにします。 しかし、ウィズは一人で精霊の森に行くといい、ミリルたちに留守を任せて出発します。 そして、三ヶ月後。ガランの口から、ウィズが消息を絶ったことを聞いたミリルは、 ウィズの後を追って旅立つ決意をします。 猫のパールと共に、物見の塔を出発するミリル。 やがて彼女は、宝石と、自らの出生の秘密を知ることになるのです――。